型にはまりたくない

最近SNSで、「パーソナルカラー」とか、「ブルべ」「イエベ」という言葉をよく目にするようになりました。あと、「骨格診断」という言葉もよく目にします。

雑誌でも特集されていたりするので、ご存知の方も多いはず。



ブルべとは、ブルーベースのこと。イエベは、イエローベースのことをいいます。

例えば、ブルべの肌色の人がチークや口紅を選ぶとき、オレンジ系の色よりも青みピンクが似合うとか、イエベの肌色の人は、オレンジ系の色が似合うとされていたり。

ブルべ、イエベに最適な色を提示してくれたりしています。

パーソナルカラーは、持って生まれたボディーカラー(肌の色、瞳の色、髪の色など)を元に個人(Personal)に似合う色(Color)を診断する手法だそうです。

そして、春・夏・秋・冬の4つに分類され、自分に似合う色が分かるというもの。

確かに、自分に似合う色を見つけることによって、洋服やコスメを選ぶときの参考になるというメリットがあります。



学生時代、色彩検定の勉強をかじったことがあるのですが、顔にいろいろな色の布を当てて、鏡に映った自分の顔色がどう見えるかを診断するというのをやりました。

「パーソナルカラー診断」を職業にしている方もいますが、恐らく同じやり方をされていると思います。

私は多分、「ブルべ・夏」なので、ゴールドアクセサリーよりもシルバーアクセサリーが似合うとされています。確かに、ゴールドとシルバーの布を顔に当てたとき、シルバーの布を顔に当てたときの方が肌色が明るく見えたのは確か。

でもちょっと待て。と思うのです。。。



「ブルべだから・・・」「イエベだから・・・」この色が似合う、というのは、逆を言うと、「それ以外は似合わない」とも捉えられます。

パーソナルカラーとか、そんなのどうでもよくない?と私は思うのです。

(パーソナルカラー診断そのものを否定しているわけではありません。)

そもそも、肌の色も、髪の色も、瞳の色も、目鼻立ちも、みんな違う。

ブルべ、イエベ、というのであれば、黒人だったら何べになるの?って思ってしまいました。(^^;)

パーソナルカラーだの、ブルべ、イエベとこだわっているは、日本人だけのような気がします。

(韓国や中国、その他のアジア圏のことは知らないのですが...)

更にそれは、コスメ業界が出した戦略とさえ感じています。

日本人は基本的に真面目気質なので、身だしなみにも正解を求める方が多いのだと思います。



自分に似合うものを見つけ、身に付けることでさらに自分の良さを発揮する、という発想は、ものすごく素敵だと思う。カラー診断や骨格診断でご自身に合う物を探すというのは、あくまでも「手段」であって、それに固執するのは危険だと感じます。

もっと自分の気持ちや感覚を大事にしないといけないと思うのです。

どこの誰が決めたか分からない、何かの基準や型に沿って選択する人生って、なんの面白みもないじゃないですか。

基準や型は、何を選んだらいいか分からないとか、決められない、といった時に、もしかしたら判断する決め手になったり、役に立つことがあるかもしれないけれど、最近目にする情報は、「あなたはこれを選べ!」と誘導されているかのように感じることが多く、私は違和感を感じてしまいます。



とある有名ファッションブランドのディレクターは、どうやってセンスを磨くのかという話の中で、「若い時にいろいろな格好をして、これは似合わないという失敗をたくさん繰り返すことで、センスが磨かれた。」と言っていました。

自分が似合うものを自分で見つけるために、多くの失敗をしてきたのです。

その失敗を繰り返した経験が、服を作ること生かされ、ブランドらしさが形成されたのですね。

様々なスタイルに挑戦して楽しみながら、自分にしっくりくるファッションをみつけるというのが自然なのかなと思います。

ファッションは自由で楽しいもの。そして自分を表現するもののひとつでもあります。

また、ファッションにはTPOや相手に不快感を与えない身だしなみといった側面もあります。

自分の心地よいスタイル、自分らしいスタイルは自分でみつける。

あくまでもナチュラルに。無理強いはしないし、してほしくないというのが私の考えです。



確かに、人にはそれぞれその人に「似合う」ものがあると思います。

めがねが似合う。ピンクが似合う。スーツが似合う。ショートカットが似合う・・・

それぞれの外見と、その人のキャラクターによっても変わります。

「好きと似合うは別」というのも昔から言われていることですよね。

だけど、なんでも型にはめようとする業界の戦略のようなものには、振り回されないでほしいのです。

ゴールドの布を顔の近くにあてたけれど、ゴールドの洋服を着ることなんてないのだから、ブルべの私がゴールドアクセサリーをつけていたって何の問題もないんです。

ファッションも、自分が好きなもの、心地いいものを着ればいい。

あとは、何か選ぶポイントとして、「なりたい理想像」から選ぶのもひとつかなと思います。

顔が童顔だけど、かっこよく見られたいから大人っぽいコンサバな服を選んでみるとか、

かわいく優しい印象に見られたいから、かわいらしいデザインや色、柄のものを選んでみたり。

自分自身の素直な気持ちや感覚を追求した先に「自分らしい」「似合う」ものが見つかると思うので、自分の中から生まれる、「好き」や「心地よい」という感覚は、大事にしなきゃいけないと思います。



私たちは、知りたい情報だけでなく、情報が勝手に入ってきてしまう日常を生きています。

スマホを開けば、知る必要がない情報まで目にしてしまい、しかも次から次へと情報が入ってきてしまいます。気づいたら1時間もスマホを見ていた・・・なんてこと、普通にありますよね。あれ?何調べようとしてたんだっけ?と、他の情報に気を取られて調べようしていたことを忘れてしまうなんてことも。

いつでもどこでも情報を手に入れることができるというのは、とても便利で素晴らしいことだけど、情報に踊らされ、振り回されてしまっては、自分が疲れてしまいます。

どんな時も、軸は「自分」であるべきで、他人やメディアの基準は聞き流し、参考程度として捉えるのが、この情報社会で生きる上でとても重要なことなのだと感じます。

でないと、「これが流行っているから」とか、「みんなが〇〇といっているから」と、他人基準でしか判断できないようになっていってしまいます。



人は生まれ育った環境以外にも大人になってからでも感性は育っていくものです。

「一流を目指すなら、一流を知れ」と言われているように、本物に触れて良いものを見て、感じることも大事。それは、コスメやファッションに限らず、一流と言われるレストランやホテルのサービスを受けてみたり、心動かされる映画や本との出会いだったり、照明や衣装の美しいミュージカルや、美術館で目にするアートでも、どんなものでも良いと思います。

意識的に五感を刺激する時間を持ち続けることが、自分が心惹かれるものに出会うきっかけになると思います。

最近はそんな時間も作れていないので、意識的にそういう時間を作らなくては!と思っています。

久しぶりにおかっぱヘアが復活しました。




LARICA Director's Blog

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