近道はない


CADを習い始めて1ヶ月が経とうとしています。

メゾンブランドのジュエリー制作を長年務めているメーカーの社長に教わっていて、その方を私は「師匠」と呼ばせていただいています。(笑)



今の時代、「師弟関係」は古い慣習とされているように思います。

一般的な会社の新人教育は、学校の延長のようにマニュアル通りに丁寧に教えることが是のような風潮があるように思います。大企業になればなるほど、それが色濃くなるでしょう。

もちろん、言語化できることは言語化して伝えた方が双方にとって有益であることは事実です。

一方で、「わかる」と「できる」の間にある大きな隔たりは、マニュアル通りの教育をすればできるようになるものではないと思うのです。



実際、CADはジュエリーの専門学校に行けば、CADの基礎知識を教わることができます。でも、知識を「与えられた」だけで、「できる」ようにはらない。実際に教わる中でそう感じました。

知識と情報を身につければ「できる」ものだと思い込んでしまいがちですが、どんな仕事であれ、知識があることと実際のパフォーマンスの間には乖離があるものです。



英語の授業を中学生から高校生まで(今は小学生から?)6年間義務教育で習っても、英語が話せるようにはならないように、単語や文法を習ったところでネイティブに会話ができるようになるかというとそうではありません。実際の日常会話と授業で習うそれとは異なるからです。



インターネットの世界には、たくさんの情報が溢れていて、例えばプロのメイクアップアーティストがYoutubeでメイクの仕方をレクチャーしていたり、ヨガ教師、整体師、英会話教師、料理人、カメラマン、著名人などなど、その道の専門家やひとつのことを極めてきた人たちが、無料であらゆる情報を発信ているので、私たちはいつでも情報を取りに行くことが可能な時代を生きています。

あらゆる情報が共有されている今、最後の最後に微妙な違いを作るのはいったい何だろうと考えると、私たち自身の体が何を「習得」してきたかに依存するんじゃないかと思いました。

だから、経験をすること、経験を重ねることがなにより大事で、非効率かもしれないけれど地道に学ぶしかないと思っています。

「職人」としてひとつの世界を探究しつづけてきた人の視点を学ぶことができる機会をいただけていることに感謝して、弟子として精進していきたいと思います。



LARICA Director's Blog

アクセサリーのこと。日々のこと。

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